こんにちは。ゆっきぃです🙂
イラン観光レポートの2回目は、タブリーズから飛行機でテヘランに向かいます。
テヘランでは世界遺産の宮殿や博物館、バザールを巡ります。
アメリカとの関係から、治安の悪化がニュースで取り沙汰されていますが、実際のところ旅行者に危険はあるのでしょうか。
また、イランというと日本人にはあまり馴染みが無さそうな国ですが、古くはペルシア時代から様々な交易品を通して私達と関わってきました。
今回は、そんな魅力いっぱいの国の歴史・観光・情勢をまとめてお届けします。
イラン観光レポ1日目は、タブリーズをご紹介しました。
https://he-lab.com/entry/travel-abroad-iran-tabriz/
それでは、どうぞ。
テヘランについて
イランの首都
テヘランは、イラン北部にあるイランの首都。
人口は870万人でイラン国内でダントツの1位。
8,116万の国民の1割強の人口が集中する大都市です。
ちなみに統計データは出典によって違ったので、2016年国連統計を基にしています。
都市別では、以下のとおり。
- テヘラン(870万) 圧倒的!
- マシュハド(300万) 巡礼の街
- エスファハーン(196万) 古都
- キャラジュ(159万)
- シラーズ(156万)
2017年の都市圏人口(テヘランと周辺都市)は、1,598万人もいます。
ちなみに日本と比較すると、人口は大阪と愛知の間くらい。かなりの大都市です。
- 東京都(1394万)
- 神奈川県(920万)
- 大阪府(882万)
- 愛知県(7,55万)
- 埼玉県(7,33万)
それよりさいたま5位に驚いた(笑)
テヘランは、古い時代から村として存在しましたが、町として知られるようになったのは14世紀以降。
16世紀には城壁とバザールが作られて栄えます。
テヘランがイランの首都になったのは、18世紀終わりのカジャール朝から。この頃ゴレスターン宮殿の造営も開始されました。
近年はイランの政治・経済・文化の中心地として栄えていますが、自動車の排気ガスなどの大気汚染も問題になっています。
テヘランは、標高1200mの高地にあり、平均気温は夏は最高36度、冬は最低0度で、東京(平均最高33度~最低2度)よりも若干厳しい環境です。
町の北側には高い山がそびえ、スキー場もあります。
主な観光地
- ゴレスターン宮殿(世界遺産)
- カーペット博物館
- アザディタワー
- 国立宝石博物館
- サーダバード宮殿
- ミーラード・タワー
- タビアト大橋
- バザール
- イラン考古学博物館
- トチャル山(スキー場)
テヘラン観光レポート
本日は、タブリーズから朝の飛行機でテヘランへ移動し、テヘランの観光をします。
ホテルの朝食(タブリーズ)
昨晩泊まったELGOLI PARS HOTELを朝早く出発します。
朝ごはんの時間はまだなので、軽食を用意して部屋まで運んでくれました。
ナン、ジャム、チーズ数種、マフィン、オレンジジュース、紅茶、デーツです。
おんぼろ飛行機、空の旅(タブリーズ~テヘラン)
ホテルからタブリーズ国際空港へは20kmで30分くらい。
この空港は、今回乗る国内線の他、一昨日にトルコのイスタンブールからタブリーズに来た際にも使用しました。
ガイドさんと一緒に飛行機に乗り込み、テヘランへ向かいます。
飛行時間は1時間くらいで短いですが、慌ただしく機内食が配られました。
そして10分で下げられました😓
さすがに早いだろ!まだ食べてないよ!!
献立はマフィン・ジャム・バター、紅茶・ミルク。
とりあえず何か食べさせとけば文句ないだろ、と言わんばかりに追加のパンも配られました!
食べ物がパン&パン のみです(笑)
テヘラン上空から。
高いビルが中央の道路に沿って伸びています。
機材はMD-80/82で、翼にEP-MDDの文字があります。
マグドネル・ダグラス社製の飛行機は初めて乗りました。
就航から30年近く経っているようで、かなりおんぼろな印象。
飛んでる最中も、ゆさゆさミシミシ言ってて少し怖いです。
おんぼろ過ぎて墜落しそうです。
経済制裁中で、飛行機の部品も十分に手に入らないそうです😨
テヘランは大都市で遠く見渡す先まで街が広がっています。
ちょっと煙っているのはPM2.5とかスモッグの影響でしょうか。
保健局の情報だと毎年3000人以上が大気汚染が原因で亡くなっているとか・・・
メヘラーバード国際空港
無事空港に到着しました。市内に近くアクセスの良い空港です。
メヘラーバード国際空港は、主に国内便発着用として使用されています。
国際便はテヘラン郊外30kmの所に2004年に新しくできたエマーム・ホメイニー国際空港に移されました。
イラン絨毯博物館
テヘランで最初に訪れたのはイラン絨毯博物館(カーペット・ミュージアム)。
イランの特産品であるペルシャ絨毯を国内の各産地から取り揃えて展示しています。
産地ごとに独特の色や模様があり、見ればどこで作られたものかわかるそうです。
こちらはよく見る柄ですね。うちの自宅の居間にも敷いてありました。
もちろんイトーヨーカドーで買った偽物です。
本物は、表面に光沢がありつやつやしており、柄も細かいです。
こちらは鳥の刺繍が入っています。
オウムとハト、それにペルシャ風の柱の模様です。
こちらは色使いがきれいですね。とても細かく織られていて絵画のようです。
春夏秋冬でしょうか。
シルクロードの各街の風景のようです。
こちらの絨毯は立体的に織られています。
中央のラクダ(馬?)のふっくら盛り上がっている感じが面白いですね。
こちらは花模様。先程のタペストリーのような絵画模様に比べて実用的。
色合い的に古そうです。
最近のものは発色が良いですが、人工の合成塗料を使っており、色落ちしてムラがでます。
天然の塗料は少し色がくすんでいますが、使うほどによく馴染んでいい風合いになるそうです。
こちらのものも、古そうですね。イスファハンなどで見る青ベースの色をしています。
よく見ると、とても細かい緻密な模様で、まるで宝石のよう。
作るのに大変手間がかかりそうですね。
こちらは、イランの伝統的な生活を描いたものでしょうか。
王族か貴族でしょうか。とても裕福そうな身分の方たちです。
馬に乗って狩りをしたり、馬術を競っている様子も描かれています。
こちらは西洋絵画風ですね。
西洋向けの輸出品も多かったので、ヨーロッパの王侯貴族向けに作られた製品だと思います。
こちらは、イランの伝統的な宗教、ゾロアスター教の善神アフラ・マズダがモデルと思われます。
古代ペルシア帝国(アケメネス朝やササン朝)では国教として信奉されました。
現在でもイランの古都ヤズドを中心に、中国インドなど世界中に信者がいます。
ゾロアスター教は、別名拝火教とも呼ばれ、日本でも仏教のなかに火を崇める儀式として形を変えて取り入れられています。
こちらは鮮やかなタペストリー風です。
ラクダがやヤギが描かれており、イランの山岳地方が舞台です。
今までの貴族風のものと違い商人や一般庶民の生活が描かれています。
出口ではペルシア猫のお見送りを受けました😊
カーペット(絨毯)と聞くと敷物のイメージしかなかったのですが、色鮮やかな絵画のような作品もたくさんあって驚きました。
テヘランに行った際はぜひ訪れてみてくださいね。
[blogcard url=”https://www.tripadvisor.jp/ShowUserReviews-g293999-d6940840-r554100746-Carpet_Museum_of_Iran-Tehran_Tehran_Province.html”]
名称:イラン絨毯博物館 (موزه فرش ایران)
時間:9:00~18:00
テヘランのバザールとヤバい商人
絨毯博物館のあとは、ゴレスターン宮殿からスグ近くのテヘラン最大のバザールを見学。
人がとても多くここでも迷子とスリに注意とのことでした。
ここのバザールでは様々なものが売られており、欲しいものはほとんど手に入るそうです。
写真は、地下鉄ホルダード16日駅近くの、サブゼ・メイダン通り側の入り口。
バザールの入り口脇には貴金属を扱う地下街への入り口があります。
地下街は広く、金の装飾品がたくさん扱われていて、その日のレートで売買されているようです。
バザールの場内は道幅が狭く人でごった返していましたが、緊急車両が入って来て轢かれそうになりました。
また、白い粉を売っている老婆がいて、断ってもかばんに無理やり押し込んでこようとしました。
イラン国内での薬の売買は死刑になるそうなので気をつけてください😨
[blogcard url=”https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g293999-d485291-Reviews-Tehran_Bazaar-Tehran_Tehran_Province.html”]
名称:テヘランのバザール(بازار بزرگ تهران)
時間:9:00~18:00
ゴレスターン宮殿
ゴレスターン宮殿はエマームホメイニー広場の南にあり、現在は博物館になっています。
ゴレスターンとは、バラの園を意味し、中心部には美しいペルシア式庭園が広がり、全体を門のある外壁が取り囲んでいます。
この宮殿は、ガージャール朝時代に築かれた宮殿で、2013年に世界遺産に登録されました。テヘランの中心部に位置する最古の建造物のひとつです。
前身となる建造物はサファヴィー朝時代に築かれ、その後大規模に拡張され、19世紀に王王宮とされました。
現在の宮殿は8つの構造物からなり、7つが博物館として使用されています。
サファヴィー朝は、1501年 – 1736年にかけて、現在のイランを中心としたペルシア地域を支配したイスラーム王朝です。シーア派を国教としたため、現在でもイランとアゼルバイジャン、イラク南部でシーア派が大多数を占める状況となっています。首都はイスファハン。
ガージャール朝は、1796年 – 1925年にかけて現在のイランを中心に支配した部族連合によるイスラム王朝。首都はテヘラン。
https://he-lab.com/entry/travel-abroad-iran/
ネガー・ハーネと呼ばれる絵画を保存するための建物。
壁の装飾はとても美しく、華やかです。
ガージャール朝は、歴史的にはロシア・イギリスという列強の脅威によって常に悩まされてきた王朝でもありました。
豪華絢爛な王宮で国家の権威を示したかったのはもちろんですが、諸外国の支配下に置かれる惨めさから、建物だけでも華やかに彩りたかったのかもしれませんね。
タラーレ・アスリは、ヨーロッパなどからの使節団を迎えるために作られた応接のための建物で、豪華絢爛に作られています。
床も天井も鏡の様なモザイク張りで覆われた入口階段から中に入っていきます。
土足OKですが靴には写真のような青いビニールのカバーを被せます。
こちらは、ヨーロッパ式の内装。フランスやロシアの宮殿の壁のようです。
ウェッジウッドの陶器のような質感が素敵。
こちらは、大広間でとても広いホールになっています。
ここで王様が使節を出迎えたんでしょうか。
日本や中国から寄贈された陶磁器も飾られています。
有田焼の壺も有りましたが、何故か中国製と書かれていました😓
国王陛下のレプリカ。
玉座やシャンデリア、後ろの壁の装飾がとても豪華です。
割とリアルな蝋人形がいきなりいたのでビックリしました!
ここで使節が謁見したんですね。
鏡の間です。
応接用の部屋だと思います。こちらは落ち着いた雰囲気ですがとても豪華です。
こちらは象嵌の間(ぞうがん)。会談用の部屋でしょうか。
歴代の国王の肖像画と象牙が飾られています。
白を貴重とした室内には古代ペルシアの神殿を思わせる柱も並んでいます。
日本の陶磁器コレクション(たぶん)
有田か、九谷か、伊万里でしょう(適当)
中国の陶磁器コレクション(おそらく・・・)
ダイニングルームにはナポレオンから贈られたテーブルと椅子があります。
輝きの間はシャンデリアの光が壁一面の鏡や銀細工に反射してとてもきらびやか。
暖炉の前には、侘び寂びを感じさせる日本製の富士山の衝立がありました。
なんかこの部屋に似つかわしくない・・・😓
シャムス・オル・エマーレは、ヨーロッパ建築を取り入れた2つの塔が印象的な建物。
当時はこの町で最も高い建物だったそうです。
ちなみに現在はボルジェ・ミラードタワー(Wikipedia)と呼ばれる電波塔で435mあります。時代は変わった・・・
ゴレスターン宮殿の入場料は600円ほどで、建物の拝観料がそれぞれ別にかかるそう。
フルのチケットだと3000円くらいするので、費用を抑えたい方は、入場料にタラーレ・アスリ拝観料を別途追加するといいと思います。
[blogcard url=”https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g293999-d485289-Reviews-Golestan_Palace-Tehran_Tehran_Province.html”]
名称:ゴレスターン宮殿 (کاخ گلستان)
時間:9:00~18:00
ファンキーなランチ
イランにもあったヘヴィメタル好きが集まるレストラン(笑)
照明は真っ赤でファンキーな世紀末漂う雰囲気。
ボンテージファッション身を包み、タトゥと顔に変なピアスをしたロックバンドのポスターが店内に貼られています。
食事は、オーガニック野菜のサラダに、豆カレー。
ロックな人達は意外に健康志向でした😨
厳重警備の宝石博物館
国立宝石博物館は、イラン中央銀行の地下金庫室内にあります。
セキュリティチェックがとても厳しく、手荷物持込禁止で外のクロークに預けます。
ボディーチェックを受けて地下に降りていくと、まるで宇宙船の扉のような金庫室のドアが待ち構えていました。
ここには革命前のパフラヴィー王家の宝石や貴金属が保管されています。
その額、現代の価値で300兆円相当とのこと!!
警備も気合が入っていて、一部屋に30人のガードマンを配置しているそう。
光の海と名付けられた世界最大のピンクダイヤモンド。
本体は182カラットで、周りには合計457個のダイヤモンドと4個のルビーがあしらわれています。
数字が大きすぎてよくわからない・・・
これと対をなす光の山というダイヤモンドは英国女王の王冠にはめられています。
宝石地球儀の直径は66cm。
34kgの純金と、合計51,366個(3,656kg)の宝石が使われています。
数字が大きすぎて、よくわからない・・・
太平洋はエメラルドで、陸地はルビーで、アジアと英国はダイヤモンドで、アフリカはサファイヤで出来ています。
これを欲しいかと言われると、全く欲しくはありませんが、展示品はとにかくド派手で、これでもかってくらいに凄かったです(笑)
[blogcard url=”https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g293999-d319532-Reviews-The_National_Jewelry_Treasury-Tehran_Tehran_Province.html”]
名称:国立宝石博物館(موزه جواهرات ملی ایران)
Treasury of National Jewels
時間:14:00~17:00
Espinas International Hotel
本日泊まるホテルがこちらEspinas International HOTEL。
なんだか豪華そうです。
ツアーは日本で半額振り込み、残り半額は現地でドル決済という方法にしたため、ホテルのロビーでツアーをコディネートしていただいた社長と待ち合わせしました。
日本に来るときはイラン人向けに奈良でガイドをしたり、現地ではJAICA職員を案内したりしている、とても信用できる方でした。
ロビーはオリエンタルな雰囲気。
テヘランは国際都市なので、ビジネスで各国から人が集まります。
中央は吹き抜けになっており開放的です。
部屋も広く、清潔感があります。
バスルームもきれいそう。
トイレはイランの標準的なものですが、手動ウォシュレットからお湯が出ます(笑)
名称:Espinas International HOTEL
住所:Tehran Province, Tehran, Farah Abad, No, Valiasr Square, Keshavarz Blvd, No. 126, Iran
ランク:
金額:5,600~9,800円
「Trip.com」で予約する
『トリバゴ』で比較する
世界中8000万人が利用する話題のホテル検索サイト
豪華ディナー。またもやケバブ!
ホテルでチェックインしてから、ガイドのレザさんとディナーに向かいます。
テヘランは彼が住んでいる場所で、今回は家族を紹介してくれるそう。
しばらくすると奥さんと、子ども達もやってきて一緒に夕食を食べます。
美味しそうなディナーです。
ビーフや羊のケバブにも少し飽きてきたので、今回はチキンケバブを付けました。
といってもケバブには替わりありませんが😓
サラダやデザートはバイキング形式です。
ここでガイドさんから恐ろしい話が・・・
前に日本の大学生の男の子を案内したそうなんですが、毎日肉ばかり食べ過ぎるから彼は足が痛くなって歩けなくなったそう。
えっ、そんな事ある!?😨
でも、大丈夫。
ちゃんとテーブルの上の赤い粉をかけて食べれば中和されるので、無事だそう。
写真の上の方にある赤い粉(塩とコショウのビンの間)が、その謎のスパイスです。
えっ、そんな事あるの!?😲
今度から毎回、赤い粉をかけて食べるようにします。
お家にご招待
ご飯を食べた後は、レザさんのお家で一緒にお茶することになりました。
もはや家族!!
ご厚意で、一般的(ちょっと裕福?)なイラン人家庭の暮らしぶりを見せてもらうことが出来ました。
日本にいたからか、味噌ラーメンが好きだそうです。
イランでも都市部では晩婚化が進み、最近は核家族が多いそう。
この家には3人のお子さんがいて、とても賑やかで良かったです😊
その後、車でドライブへ。
在イラン日本大使館を見たり、ショッピングモールでお土産を買い込みました。
Red bullもどきの栄養ドリンクBig Bearです。
沢山の種類があったので、買い込んで毎日味比べしました(笑)
まとめ
- ペルシャ絨毯は絵画のように美しい
- バザールには明らかにヤバい人がいた
- メタルな人達は意外に健康志向
- ゴレスターン宮殿は豪華絢爛
- 宝石デカイが、趣味悪い
- ケバブはそろそろ飽きてきた
次回予告
イラン観光レポート③
砂漠の町
カシャーンへ
お楽しみに!
https://he-lab.com/entry/travel-abroad-iran-kashan/
●イラン観光レポート 第1話
https://he-lab.com/entry/travel-abroad-iran-tabriz/
●イランが抱える問題がわかる記事
https://he-lab.com/entry/travel-abroad-iran/
●イランの治安・国内情勢と渡航時の感想(2020年1月最新版)
https://he-lab.com/entry/travel-abroad-iran_situation/
●イラン旅行の日程について
Coming Soon!
https://he-lab.com/entry/travel-abroad-iran_schedule/
●イランのおすすめ観光地と世界遺産
Coming Soon!
https://he-lab.com/entry/travel-abroad-iran_sightseeing/