こんにちは。ゆっきぃです🙂
世界遺産登録15周年の熊野古道。
古くから聖地として語り継がれ、近年はパワースポットとしても有名です。
近年はミシュランガイド3つ星を獲得し、海外からも多くの人が訪れる人気の観光地です。
そんな熊野古道ですが・・・
初めての人が個人でプランを練ろうとすると、わからないことだらけ。
今回は初心者が実際に歩いてみてわかったことを中心に、おすすめのプランを紹介します。
個人がプランを立てる上で困ったこと
探してみるとツアー旅行か、本格的な山歩きが多く、個人でレンタカーを使わない場合は、スケジュールを立てるのが大変でした。
- 観光バスツアー。歩くのは神社周辺で短時間(物足りない)
- 山歩きで踏破する本格的なコース(さすがに大変すぎる)
- 新幹線の往復(高額、昼の移動は時間がもったいない)
- レンタカー中心。路線バスの接続がわかりにくい
そこで、この記事では、限られた日数で目いっぱい楽しめるよう、実際に歩いたコースを、初心者に向けてご紹介していきます。
以下の項目が一つでも該当する方にオススメです!
- 名所・旧跡はしっかり歩きたい!
- 効率よく路線バスを使いたい!
- 往復は夜行バスでお金と時間を節約したい!
- プラスαでワンランク上の情報を知りたい!
熊野古道なら、まずはここ!
熊野三山へのお参り
熊野古道とは元々、熊野三山(下記の3つの神社)を信仰するために古くから使用されてきた、お祈りの道です。
三つの神社と、青岸渡寺(せいがんとじ)、補陀洛山寺(ふだらくさんじ)は世界遺産にも登録されています。
少なくともこの3つは回っておきましょう。
熊野本宮大社(くまの ほんぐうたいしゃ)
熊野本宮大社は紀伊半島の中央。どの駅からもバスで1時間程度はかかる山の中にある神社です。
発心門王子~本宮大社のウォーキングコースが人気。周辺には温泉街もあります。
祭神はスサノオノミコトと言われており、大鳥居や八咫烏(やたがらす)のポストもあります。
八咫烏とは、三本足のカラスで熊野のシンボル。日本神話にて天皇を道案内して建国へと導きました。
サッカー日本代表のマークにも使われています。
熊野速玉大社(くまの はやたまたいしゃ)
こちらは、ふもとの町、新宮市にある神社。
熊野本宮大社から山を下るのはとてもハードなので、バスで新宮駅まで向かう人が多いです。
バスだと一時間ほどですが、記事後半でもっとオススメの方法をご紹介します。
新宮駅が近く商店街やショッピングセンターもあるので、交通の便は良いです。
熊野速玉大社の祭神は熊野速玉大神と熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)。
時間があれば近くの摂社(付属のやしろ)、神倉神社にも行っておきましょう。
熊野那智大社(くまの なちたいしゃ)
JR那智駅が最寄りで、山を上がった高台にある神社です。
那智駅へは新宮駅から電車かバスで30分ほど。
熊野那智大社は熊野夫須美大神を祭っています。
隣に青岸渡寺というお寺があり、滝をバックにいい写真が撮れます。
滝の目の前には那智大社の別宮、飛龍神社(ひろうじんじゃ)があります。
大門坂や、那智の滝は、大人気の観光スポット。
平安衣装のコスプレも借りることができます!
一番おすすめのルート ~中辺路~
熊野古道と一口に言っても、実は様々なルートがあります。
参考:㈳和歌山県観光連盟「和歌山観光情報」より
そんな中、昔から親しまれてきた最もメジャーなコースが中辺路(なかへち)。
田辺駅から紀伊半島を横切って、新宮・那智方面へと、横断するルートです(地図では濃い茶色の道)
熊野三山を3つとも含むのは、この中辺路だけ。
道が歩きやすく、古道の雰囲気もたっぷり味わえます。
ただし、起点の滝尻王子から、本宮大社までは40kmもあります。
マラソンコースと一緒の距離・・・😨
この区間を歩くだけでも大変です。
そこで、手軽に歩けて見所たっぷりのコースをピックアップしながら、他の行程は路線バスを利用してショートカットしましょう!
中辺路おすすめコース3選
発心門王子~熊野本宮大社~大斎原コース
古道の雰囲気をしっかり味わえて、比較的気軽に歩ける人気No1コース。
総合評価 | |
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風景【見所】 | 林間コース、山間の村【本宮大社、大斎原】 |
歩きやすさ | 下り坂が多いですが、少し長いです。 |
距離・時間 | 6.9km 2時間30分~3時間 |




発心門(ほっしんもん)とは、悟りの心を開く入り口という意味です。
熊野古道沿いには参詣者を守護するための神社が点在し、王子(おうじ)と呼ばれています。
最盛期は100以上存在しましたが、現在は跡地となっているものが多いです。
熊野本宮大社は明治時代に洪水で流され、現在の高台に移築しました。
大斎原(おおゆのはら)は元々本宮大社があった場所です。
大門坂~熊野那智大社~那智の滝コース
大門坂や那智の滝など、写真でよく目にするような人気スポットを訪れます。
総合評価 | |
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風景・見所 | 石畳の坂、滝、平安衣装体験(那智大社・大門坂・那智の滝) |
歩きやすさ | バスを利用すれば楽チン。登り階段がちょっと続きます。 |
距離・時間 | 2.5km 1時間30分~2時間 |
大門坂の茶屋では、平安貴族の衣装のレンタルを行っています。
男女とも、豊富な色と柄の衣装がそろっています。
みんなで着るから恥ずかしくない。さぁ、Let’s コスプレ!!
新宮駅~熊野速玉大社~神倉神社
新宮市内の舗装された平坦な道を歩くコース。古道の今と昔を比較してみましょう。
総合評価 | |
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風景【見所】 | 新宮の商店街、神倉山からの眺め【速玉大社・神倉神社】 |
歩きやすさ | 舗装路での街歩き。神倉神社は石段がかなり急です。 |
距離・時間 | 3km 2時間 (速玉大社のみなら 1時間弱) |




こんなコースもおすすめ
牛馬童子~継桜王子
かつて古道にあった宿場町の雰囲気が楽しめます。各所に見所が点在しています。
総合評価 | |
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風景【見所】 | 林間コース、山間の村【牛馬童子・継桜王子・野中の清水】 |
歩きやすさ | 歩きやすいが、なだらかな上り坂が少々しんどい。 |
距離・時間 | 6.7km 2時間10分(継桜~バス停まで20分強) |




牛馬童子~継桜王子~野中の一方杉バス停までのMAP(和歌山県観光連盟)
スタート地点は道の駅 熊野古道中辺路から。
めはり寿司やジャバラ飴など名産品が買えます。
少し山道を登ると峠にかわいい牛馬童子(ぎゅうばどうじ)像があります。
ここから一転山道を下ると、かつて宿場として栄えた近露王子(ちかつゆおうじ)につきます。
近露王子の近くには、なかへち美術館があります。
さらにしばらく道沿いの名所を見ながら進めば、ゴール地点には、継桜王子(つぎざくらおうじ)があります。
継桜王子には、わらぶき屋根のとがのき茶屋や、銘水100選に選ばれた野中の清水があります。
大日越(本宮大社~湯の峰温泉)
短時間で登れる本格的な峠越えのコース。
総合評価 | |
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風景【見所】 | 登山コース【月見ヶ丘神社・鼻欠地蔵・湯峯王子】 |
歩きやすさ | 距離は短いが本格的な山道で、アップダウンが激しい。 |
距離・時間 | 3.4km 1時間30分~2時間 |




本宮大社と湯の峰温泉を結ぶ峠越えのコースです。
特別な装備は必要ないですが、未舗装の土の山道が続きますので足元に注意。
あたりが薄暗くなってくる時間や、悪天候の時は迷わずバスを使いましょう。
【おすすめ】川舟下り ~川の熊野古道~
本宮大社~速玉大社を結ぶ、平安貴族御用達の熊野川遊覧船コース。
総合評価 | |
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風景【見所】 | 川沿いの景色、岩、滝、島【熊野川の風景・速玉大社】 |
歩きやすさ | 歩きません。平安貴族になったつもりで優雅にどうぞ。 |
距離・時間 | 16km 1.5時間 (+乗り場まで本宮大社からバスで35~50分) |




平安時代に、皇族たちは本宮大社から速玉大社へ熊野川を舟で下っていました。
道の駅 熊野川から木造の小舟に乗り、速玉大社近くの権現河原まで約90分間の旅路。
語り部の昔話を聞きながら、川からしか見れない景色を堪能できます。
水量によりコースが変わり、運が良ければ小島に上陸することも。
荷物は乗船場所で預け、下船場所まで車で運んでもらえます。
出発地点に戻りたい方は、そのまま車で送ってくれるみたいです。
舟の上は風が強く初夏でも寒いので羽織るものを持って行きましょう。
おすすめ:川の参詣道 熊野川舟下り体験(熊野川 川舟センター)
予約が必要。混むのでお早めに。
1日2回運航(午前10:30、午後14:30)
必要なもの ~持ち物と事前準備~
服装と荷物
春~秋であれば、通常の登山装備(ハイキング用の軽装備)で十分です。
半袖半ズボンでOKですが、防寒着と雨具は持っていきましょう。
舗装路が多いため、登山靴よりもハイキングシューズや、スニーカーが便利。
山道は濡れているので滑らない靴底のものを。
ランニングシューズで行きましたが、足も疲れず良かったです。
夏場は虫が多いので虫よけがあると便利です。
アブがしょっちゅう突進してきます。
帽子やタオル、日焼け止めも持って行きましょう。
こまめに水分補給をすることが大事。
道中はペットボトルを一本多めに持っていると安心です。
夏場は特に汗をかくので、塩分補給の出来る塩レモン飴などがおすすめです。
ちょっとした一休みには、軽食やお菓子があると、嬉しいです。
ゆっきぃは、道の駅で郷土料理の、めはり寿司を買いました。
寿司と言っても、高菜でくるんだおにぎりなので、持ち歩いても安心です。
かばん
車移動や、宿泊施設間で宅配便を使うなら移動時はナップザックで十分です。
荷物を背負って移動する場合は、大きめのバックパックがあると安心です。
普段、登山や海外旅行に使っている50ℓサイズを持っていきましたが、これを他に背負っているのは外国人のバックパッカーだけでした😨
30ℓくらいの、こういうのが良いと思います。
語り部の話を聞く
熊野の貴重な伝統と文化を後世に残すため、地元の方々が中心となって語り部の活動をされています。
発心門や大門坂などでは、同行している方をよく見かけました。
地元の昔話を聞きながら、名所旧跡を巡るのも楽しそうですね。
こちらも事前予約が必要なので忘れずに。
最近は海外からのお客さんも多いので英語ツアーも行われています。
熊野古道ウォーキングツアー バイリンガルガイドと行く! 発心門~本宮大社編
熊野古道ウォーキングツアー バイリンガルガイドと行く! 大門坂~那智の滝編
熊野古道押印帳
スタンプラリーもやっています。
旅の記念になり、振り返って見た時楽しいです。
道中の王子ごとにスタンプ台が設置されており、中辺路には36カ所あるそうです。

サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路
意外に思われるかもしれませんが、熊野古道は巡礼路つながりで、スペインにあるキリスト教の巡礼路 サンティアゴ・デ・コンポステーラと提携しています。
二つの巡礼路(熊野・スペイン)を巡る、共通のスタンプラリー帳もあります。
二つの道の巡礼「サンティアゴ巡礼道と熊野古道」(田辺市熊野ツーリズムビューロー)
おすすめ宿泊地 ~宿屋・温泉~
熊野本宮大社の周辺
本宮大社の周辺には主に3つの温泉郷があります。
湯の峰温泉
日本最古と言われる1800年の歴史ある温泉で、小栗判官の伝説が残っています。
山間の小さな集落で大きいホテルはなく、旅館と民宿が10数件。
天然温泉のつぼ湯は参詣道の一部として世界遺産に登録されています。
つぼ湯はその場で予約が必要。1グループ30分の交代制です。


今回泊まったのは民宿あずまや荘さん。
建物は少し古いけど、部屋の畳は新しく、トイレもウォシュレットです。
民宿の温泉に加えて、隣のあずまや旅館の温泉にも入れるのでお得!
料理は量も種類も十分で、味もおいしかったです。
夜は温泉で炊いたご飯と鹿肉がでました。
朝は温泉のおかゆと温泉卵、湯豆腐で、これまた美味しかったです。




川湯温泉
川沿いにたくさんの旅館や民宿が立ち並びます。
川湯温泉はその名の通り、川の温泉。
河原を掘って湧き出した源泉に浸かれます。
シャベルはレンタル有り、水着もお忘れなく。
夏は川遊びしながら自分で掘った温泉に入りましょう。
冬(12~2月)は河原全体が、巨大な露天風呂「仙人風呂」になります。
渡瀬温泉
バンガローやキャンプ場、ホテルもある、人気のアウトドアエリアです。
渡瀬温泉センターおとなしの郷という、大型のクアハウス(スーパー銭湯)があります。
付近では、釣りも楽しめます。
那智・勝浦周辺
南紀勝浦温泉
今までの山道とは打って変わり、広大な太平洋を一望できる港町です。
大型のリゾートホテルから民宿まで賑わう温泉街です。
夏は海水浴やホエールウォッチングもできます。
漁港近くに市場があり、マグロなどの新鮮な海の幸が味わえます。
昔懐かしいクジラ料理もあるので、是非ご賞味あれ。
ホテル勝浦、かつうら御苑、花游あたりは良さそうですね。
周辺のおすすめ宿
おすすめは、休暇村 南紀勝浦というホテルです。
お隣の宇久井駅にあり、JR紀伊勝浦駅からバスで送迎してくれます。
全国展開している国民休暇村が運営しており、料理もお風呂もとっても豪華なのに、WEB予約なら1万円前後のプランもある穴場ホテルです!
お料理はスタンダートプランの黒しお懐石。
新鮮なお造り、ご当地うどん、まぐろカツ、クジラ揚げのセットでした。
そこに、ドリンク、サラダ、揚げ物、釜飯、お寿司、お惣菜、デザートの豪華な食べ放題がセットになって付いてきます。
朝食もバリエーション豊かなバイキング形式です。




太平洋を一望できる大浴場に、露天風呂、泡風呂、陶器風呂があります。
(お風呂の写真は撮れなかったので、公式HPから)


ちょっと遠出(シャトルバス)
高野山 ~小辺路~
高野山(こうやさん)は、標高約800mの高台に位置する仏教都市です。
平安時代に空海(弘法大師)が、修行の場として開いた聖地の1つ。
2004年に世界遺産に登録されました。
100以上の寺院が集まり、その半数は宿泊もできます。




宿坊 ~お寺で泊まる~
もともとは、僧侶や神職、参拝者のための宿泊施設です。
現在では多くの宿坊が一般の観光客向けに開放されています。
宿泊者に対しては、朝のお勤めとして住職の講話がありますが、参加は任意の場合が多いようです。
お寺によっては、比較的安価に泊まれ、精進料理や坐禅体験などもできます。
アクセス
熊野本宮大社から高野山までの道は、熊野古道小辺路にあたります。
歩いていくのは大変なので車で行き、町内をゆっくり散策するのがおすすめ。
聖地巡礼バス(本宮大社前⇔高野山駅前)
本宮大社前発
毎日運航 8:05発 → 12:10着(土日祝は12:40発→16:40着の増便あり)
高野山駅前発
毎日運航 9:45発 → 14:22着(土日祝は14:15発→18:12着の増便あり)
今回は、熊野古道のおすすめコースと準備についてお話ししました。
熊野古道の魅力が少しでも伝わっていただけたなら幸いです。
次回は、実際に歩いた時のタイムスケジュールを公開します。
https://he-lab.com/entry/kumanokodou-bestplan-2/
それではまた、次回の記事でお会いしましょう👋