こんにちは。ゆっきぃです🙂
今回は、以下の2点において見ていきましょう。
- 話し手と聞き手、どちらに会話の重点を置くか
- 会話の組み立て方と省き方について
①会話が成り立たない要因について

②話が噛み合わないときにそこに起こりうる問題

③会話の見える化。とりあえず全部しゃべっちゃおう。

目次
どちらが会話の主体か
前回の最後で、とりあえず自分の言うべきことは全部伝えて、後の取捨選択は相手に任せようと言う話をしました。
これを言うと、伝わらなければ意味がない、誤解を受けるという反論があるかと思います。
そこで、話し手と受け手の責任について見ていきましょう。
発信者責任と受信者責任

日本の社会では、相手の言ったことの意図をどう汲み取るかという、正しく傾聴する能力に焦点が当てられます。
対して海外のビジネスパーソンは、いかに自分の発信力を高めるかをいつも意識しています。
これは子育てでも、どんな子供になって欲しいかという願いに現れます。
日本では相手の気持が分かる子、みんなの意見が聞ける子に育って欲しいという願いが強いのではないでしょうか。
対して欧米では自分の意見がしっかり言える子、正しいと思ったことを貫き通せる子になって欲しいと願います。
日本社会の根底にある受信者責任
聞いている側が理解できない事に問題がある。
これが受信者責任です。
相手が一生懸命伝えようとしてくれるのにわからない、理解できずに申し訳ない。
日本人であればこういう感情が芽生えてくるのではないでしょうか。
出来ない上司が、よろしくやっといてくれと曖昧な指示を出すことがあります。
部下がミスをすると決まって彼らは、なんで言いたいことがわからないんだと腹をたてるでしょう。
これは受信者責任が引き起こす弊害といえます。
よろしくやれなんて言われても、わかるはずがありません。
昼寝してても、それは自分にとっては、よろしくやっているのです。
何をやるか細かく指示をしなかった上司が悪いと言えるでしょう。
社会の多様化と発信者責任

海外、特に欧米の場合は、伝える側がきちんと伝えられなかったことに責任があると考えます。
いつまでに何をどうやるべきか、それをきちんと伝えることが重要です。
これは権力に対する説明責任という形でも法律に現れています。
ここで注目すべきは、発信力と受信力どちらか一方だけが優れているわけでは無いということでしょう。
しかしながら、社会が多様化していくにつれ、受信力よりも発信力のほうがより重要になってきます。
これは、相手の文化背景が違う中で全ての人物に共通した意味合いをもたせるのが難しいからです。
受け取り方の判断は、文化の数だけ、人の数だけ存在します。
それを受け取り側の判断に委ねていたら、うまくいくはずがありません。
ですので、発信者側がこれはこういう意味で、だからこうするのだと、伝えていくのです。
責任の分離
では、発信者責任の場合、理解できなかったら発信者が全て悪いのかというと、そうでもありません。
ここが欧米の理論のしっかりしているところで、責任の分担がしっかりとできているのです。
話す側が伝えることをちゃんと伝えたのならば、理解できなかったのは聞き手の問題となります。
日本のように目上の者から下の立場の者への一方通行ではなく、あくまでビジネス上では対等なわけです。
日本では、営業部長が掃除のおばちゃんに、床が濡れていたから拭いておくようにと指示すれば、すぐに掃除に取り掛かるでしょう。
一方海外では、私は総務部長との契約で動いているので、営業部長のあなたが私に命令を出すのは越権行為です、となります。
アドラーの心理学
これは、社会心理学で有名なアドラーの哲学にもあります。
相手にどう思われているかを悩んでいても、自分にとっては全く意味のないことです。
自分のできることをしてボールを投げたのであれば、相手がどう思うかは相手の勝手であって、自分がどうこうできるものではないからです。
下記の本はベストセラーになりましたが、会話形式で書かれているので難解でなく、とても読みやすい本です。
哲学者と青年の会話が軽快で読むとハマるのでおすすめです。
責任分離を上手く使う

では、話は最初に戻って、手当たり次第に話して取捨選択は相手に任せる、という方法の合理性について検証します。
これは、何を選ぶか相手に任せている時点で受信者に依存している方法と言えます。
一方で、必要なことを伝えられていないかと言うと、余計な情報も含め全て伝えています。
つまり情報過多であったものの、不足はしていないということになります。
よって(親切ではないだけで)最低限度の発信者責任は果たしていると言えるのではないでしょうか。
機械の操作がわからないといった部下に対して、上司(発信者)はここに書いてあるよと辞書のようなマニュアルを一冊渡したわけです。
そんな量は読めないというのであれば、部下(受信者)は、自分のわからないのはどんな操作で、それはどこに書いてあるのかを質問すべきです。
つまり取捨選択すること、わからなければ質問することは、相手の責任になるので、とりあえずは話しまくってもOKというわけです。
もちろんベストではありませんが、説明責任は果たしているので、必要なことを喋らないよりは100倍マシでしょう!
第2ステージ 選択と集中
過程と結論にフォーカスする

結論にフォーカスするとは、話の落とし所を決めることです。
過程にフォーカスするとは、結果に至るプロセスを細分化することです。
言葉(途中経過)が足りずに、話に齟齬が生まれるのを防止するために、まず第1ステージでは、話しまくって丸投げするという方法を取りました。
それによって1を聞いたら10話すウザい人にもなれました。
この段階に上がることはあくまでも必要なステージであると捉えます。
自分の考えや気持ちを少しは言葉によって表現できるようになったはずです。
話し方が下手な人というのは得てして自分の感情を表現するのが下手でもあります。
説明できないけど、自分の中ではフィーリングで何となく分かる。
その感情を言葉によって吐露していくことで、自我を再認識することが可能になるのです。
特にゴールのない話であればそれでよいのですが、着地点がある場合はゴールの方向に話を持っていく必要があります。
今度はその方法を見ていきましょう。
マイルストーンを設定する

次は細分化して削っていく作業に移ります。
最初のうちは話しまくり、慣れてきたら徐々に削っていきましょう。
マイルストーンとは、一定のタスクが進むごとに目印にする進捗管理の指標です。
結論が勝手に飛躍しないように、また過不足が生じないように小分けにしてマイルストーンを設定していきます。
以前から例に出しているお天気の会話で見ていきましょう。
- いい天気で暖かいなぁ
- ぽかぽか陽気につられてお腹もすいてきた
- せっかくの陽気なので遠出してみよう
- 前から行きたかったラーメン屋があったな
- 先輩を誘ってみよう
今回は⑤がこの場合の結論となります。
スタートからゴールまでの①~⑤が今回設定したマイルストーンです。
思考プロセスの全てがが見える化できていないと、マイルストーンを上手く設定することは出来ません。
大事なところをバッサリ省くと話が通じなくなってしまいます。
今回の話の核としてこの5つは削ってはいけません。
次にそれ以外のいらない部分を削っていきます。
会話のどこを削るか

思考がぐるぐるしやすい人は、会話中にどんどん違うことが思い浮かんで一人でニヤニヤしちゃったりしますね。
例えば、今日はいい天気ですねと言われて、
いい天気で暖かいなぁ。太陽が照りつけている。
太陽の化身は太陽神ラーだなぁ。エジプトでは最高神として崇められている。
そういえば先週暖かかった日は公園で猫が日向ぼっこしていてかわいかった。
猫飼いたいけどうちのマンション猫禁止なんだよね。
管理人は猫嫌いなのかな、残念。
と頭の中で思ったとします。
でもこの場合、マイルストーンを次に進めるに当たって太陽神ラーの話題は不要です。
猫の話もほっこりさせるには良いかも知れませんが、ランチの話には直接必要ないでしょう。
よってここは削ってもいいと判断できます。
一方で、いい天気で暖かいなぁという部分は、次のぽかぽかしてお腹が空いてきたに繋げるために必要な布石です。
ここを外すと、会話が飛ぶ原因になるため削除できません。
このようにして、会話しながら次のようにすごろくの駒をすすめていきましょう。
- マイルストーンを決めた
- 会話したらマスが1個進んだ
- 思考がいっぱい出てきた
- 必要ないもの省いた
- 残ったものを言葉で伝えた
- 次のマイルストーンに進んだ
2人で話していれば交互に相手のターンで待機モードにはいります。
少々会話のテンポが遅くても問題ありません。
気をつけたいのは、3人以上のグループの会話です。
複数人だと自分が話についていくのに遅れると発言権をなくします。
そのため、ちょっと強引でも、理論無視・テンポ重視でゴリ押ししたほうが、会話の決定権を握れる確率が高くなります。
特に日本の場合は声の大きい(よく喋る)ほうが、議論に勝つ確率を上げることが出来ます。
まとめ
今回は話し手と聞き手どちらに会話の重点を置くかという問題と、会話をどう的を絞って行くかという方法についてお話しました。
- 話のゴール(自分が得たい結末)までの道筋を思い浮かべる
- 道順をたどるのに不可欠な場所にマイルストーンを置く
- 必要なフラグを回収しながら、淡々と会話の駒を進める
それではまた、次回の記事でお会いしましょう👋