こんにちは。ゆっきぃです🙂
ピースボート航海日誌では、
地球一周106日間の船内生活や寄港地の観光についてご紹介していきます。
今回、78日目(7月24日)は、パナマ運河を航行し、カリブ海(大西洋)側から太平洋側へと抜けます!
77日目(7月23日)は、パナマのパナマシティ観光(カスコアンティグオ)とクリストバル港の散策をしました。

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では、早速いってみましょう。
目次
本日の航路
本日は、パナマ運河を航行します。
日の出6:09 日の入18:42
時差調整24時にマイナス1時間。
パナマ運河って

パナマ運河は、全長約80キロメートルもある人工の運河。
川幅は狭いところで91メートル。広いところだと約200メートルあり、水深さは最も浅い場所で12.5メートルだそう。

カリブ海から、ガトゥン閘門(こうもん)で水位を上げて、人工湖のガトゥン湖(運河の最高地点)に入ります。
今度はペドロ・ミゲル閘門、ミラ・フローレス閘門という2つの水門で水位を下げて進むと、太平洋に抜けることができます。
パナマ運河は、1880年にスエズ運河を開発したフェルディナン・ド・レセップスが建設に着手しました。
しかし、難工事と財政難、マラリアの蔓延によりフランスのパナマ運河会社は倒産してしまいます。
その後体外膨張制作に乗り出していたアメリカ合衆国により工事は再開され、10年の歳月をかけて1914年に開通します。
それから長くアメリカの管理が続きましたが、1999年12月31日に正式にパナマ政府に返還されました。
スエズ運河との違い
エジプトにあるスエズ運河は紅海と地中海の間のほぼ平坦な道を進みます。
対して、パナマ運河は、カリブ海と太平洋の間、海抜26メートルのところにガトゥン湖があり、高低差のある道のりです。
運河中央部の海抜が高いため、そのままでは進めません。
高さの異なる区間は、閘門(こうもん)と呼ばれる設備で区切り、水位を調整することでエレベーターのように船を上下させ通行します。
このような水位を調整する区画は、ガトゥン閘門(3室)、ペデロ・ミゲル閘門(1室)、ミラフローレス閘門(2室)の3か所、各2レーン存在します。

運河の幅が船の大きさを決めた!?
パナマ運河を通過できる船の最大のサイズはパナマックスサイズと呼ばれています。
閘門により通過できる船舶のサイズは、全長:294.1メートル、全幅:32.3メートル、喫水(船が沈んでいる部分の深さ):12メートル、最大高:57.91メートル以下に制限されていました。
2016年の拡張工事により、全長:366メートル、全幅:49メートル、喫水:15.2メートルまでの航行が可能となりました。
旅客船については、現在までに計画中のものを含めて全て通航可能なサイズだそう。
旅客船は観光目的ですからこのような運河を通れるかどうかも、設計段階で重要なファクターになります。
アメリカの戦艦も太平洋と大西洋を素早く行き来できる必要があるため、全てこのサイズに合わせています。
タンカーや鉱石運搬船、コンテナ船については、拡張後でも通り抜けできないほどサイズが大きいものも存在するようです。
日本の技術が大活躍

閘門を通る区間は幅が狭くなっており、船舶が自力で航行できないため専用の電気機関車を使って船を牽引しています。
この機関車には、日本の川崎重工製の車両が使用されています。駆動用ギアケースは三菱重工、インバーター・モーター及びウィンドラスは東洋電機製造が製造しているそう。
こんなところにも日本の技術が生かされているんですね。

機関車の走行区間には最大で50パーセント(角度約27度)の急勾配があり、その勾配を越えるため運河の両側にラック式の線路が敷設されています。
両側の機関車からワイヤーで引っ張って船を水路の中央になるように保ちながら牽引しています。
ちなみに中国の大人気SF小説「三体」の第一巻、衝撃のクライマックスは、ここパナマ運河で繰り広げられました。
カーボンナノチューブが熱いッッ!!
ラストの大惨事な情景がありありと浮かんでしまいました😨
宇宙、素粒子物理学、歴史などがお好きな方は面白いのでぜひ読んでみてください。
船の通行料は高い?
パナマ運河は国際運河であり、船籍・軍民を問わず通航が保証されています。
かつて、アメリカが管理していた時代には、パナマ運河を国際公共財として、収益を目指さない方針により、運河通航料はスエズ運河と比べて非常に低く抑えられていました。
これに対し、1999年に運河を受け継いだパナマ政府は、利益の極大化方針を打ち出しており、2000年以降、年3.5%の値上げを20年間継続する方針を打ち出しました。2020年で1.7倍になりますね。
パナマ運河庁の定めた通航料は、船種や船舶の積載量、トン数や全長など船舶の大きさに基づき、1トンにつき1ドル39セント、平均で54,000ドルだそうです。
ピースボートのオーシャンドリーム号は、35,190トンなので、48,914ドルになります。
1ドル110円とすると、540万円程度の計算になります。
ちょっと古いですが、2002年の実績によれば、年間通航船舶数は13,185隻、通航総貨物量は1億8782万トンでした。
近年は、2003年に豪華クルーズ客船コーラル・プリンセス号が226,194ドル(2500万円)を支払って以来、船舶の大型化による通航料の最高額更新が続いているそう。
2008年に通過した豪華クルーズ客船Norwegian Jade号は、313,000ドル(3400万円)を支払ったそう。
出航の前日に横浜港にいたNorwegian Jewelの姉妹船でしょうか。

過去には泳いで渡ったツワモノも

では、今までで一番安かった通航料は、どんな船でしょうか。
いいえ、実は人間なんです。
1928年にパナマ運河を泳いで通過した、米国の冒険作家であるリチャード・ハリバートン氏。
彼は通行料として36セントを支払いました。約40円ほどです。
体重で測ったんでしょうか(笑)
そこで計算してみると
0.36ドル÷1.39ドル×1000キロ=なんと259キロ・・・
ん~。今とは料金単価が違いそうですね。
本日の船内企画
本日の主な船内企画をご紹介します。
記念撮影
企画:ピースボート事務局
8:15より、プールデッキで記念集合写真撮影
10:00~12:00は、ビアホールになります。
大県人会
企画:ピースボート事務局
同じ地域の出身者同士で定期的に集まって語る会です。
老若男女新たな出会いがあります。
海外にいるからこそ地域の話題に華が咲きますよ!
水先案内人企画
船に乗船されているゲストの方の企画です。
いざという時に役立つ護身術
公演:伊藤千尋さん
内容:力がなくても相手を投げ飛ばせる!襲われたらどうするか~実践編~
歌に海賊に護身術。伊藤さんの企画は何でもありです!
中南米で生活すると、たくましくなるんですね(笑)
自由であり続けるために、20代で捨てるべき「50のこと」
公演:四隅大輔さん
内容:情報やモノがあふれるこの時代。自分らしく生き抜くために必要なのは「捨てる」こと。アーティストプロデューサーとして数々のヒットを記録してきた四隅さんが若者に贈る渾身のメッセージ。
洋上シネマ
ピースボートには立派な劇場があり毎晩無料で映画やショーを行っています。
ジェーン
ナタリーポートマンが主演・制作を務め、ユアン・マクレガーが適役で共演する西部劇。南北戦争直後のニューメキシコ周辺。ジェーンは夫のハムと娘と平穏な毎日を送っていたが、ある日夫が銃弾を受けて瀕死の状態で家にもどってきた。夫に傷を負わせた悪名高き ビショップ一族の首領ジョン・ビショップの手から夫と娘を守るため、ジェーンは南北戦争の英雄でかつての恋人ダンに、藁にもすがる思いで助けを求める。
パナマ運河航行
昨日はパナマ運河の入り口にあたるクリストバル港に停泊していました。
本日早朝からいよいよパナマ運河に入ります。

入って少しすると最初の閘門であるガトゥン閘門があります。
そこを抜けるとパナマ運河の最高地点、海抜26mのガトゥン湖が広がります。
ガトゥン湖は川をせき止めてできた人造湖で、かつての山頂や尾根が、現在は半島や島になっています。

周りには客船の他に、巨大なタンカーや貨物船がたくさんいて物流が活発です。

運河内では牽引船に先導されます。
ガトゥン湖は結構広いです。前日の下船観光では、ガトゥン湖クルーズ&ウォーキングツアーも開催されていました。

湖を抜けると、今度は太平洋側へ注ぐ川に入ります。
先程の湖より幅は狭くなりましたが、大型船が十分にすれ違える広さがあります。
周りはジャングル。このあたりは海水が混ざってないので淡水でしょうか。
水の色も茶色くて熱帯っぽいですね。TVでよく見るアマゾン川などの水が茶色いのは、汚れているのではなく、栄養素がたっぷり含まれている証です。
一方、中国やインドの川が鮮やかな蛍光色をしているのは、たぶんやばい物質が流れ出しています。

行く手に橋が見えてきました。
全長80キロの運河を渡る間には、第三パナマ運河橋、センテニアル橋、アメリカ橋という3つの橋がかかっています。

この橋は真ん中にあるセンテニアル橋という橋のようです。

橋を抜けると先の方に水位を調整する区画が見えてきました。
なんと言う名前か覚えていますか?

そうです。
閘門(こうもん)ですね。

パナマ運河通行記念にパシャリ📷
何故だかドヤ顔です(笑)

閘門部分は他に比べ川幅が狭くなっており、このような水路を通って進みます。

先に見えてきた水路の黒い部分が水をせき止めている水門です。
船の前後をこの水門で囲み、水位を上下させます。

水路の幅は狭いので、ぶつからないよう、このような駆動車でゆっくりと引っ張ります。

左右が均等になるよう両側からゆっくりと引っ張っています。

先の赤い屋根の建物で水位を管理しています。
隣にも同じような推移を上げ下げするレーンがありますね。

大きな船が来ました。貨物船でしょうか。
2レーンあるため1隻ずつ上げ下げを待つことなく、効率的に進むことができます。

水位が下がって通過するところ。
横の水路から水が轟音とともに流れ出していきます。
ここを抜けてそのまま進むと、いよいよ太平洋です。
夜の船内イベント
夜ご飯は食レポに詳しく載せてありますので、そちらをご覧ください。

四角大輔さんのセミナー

四隅さんの話がおもしろかったので、著書も2冊購入しました。
本にサインしてもらって記念撮影。
書籍購入にも、船内商品券(事前に買うと割引になる)が使えます。
セミナーのお題は、自由であり続けるために、20代で捨てるべき「50のこと」。
四隅さんは、かつて音楽業界で敏腕プロデューサーとして活躍し、今はニュージーランドの大自然の中で暮らしています。
ゆっきぃは30代ですが参加しました。
20代でたくさんのことを捨てそこねています。
捨てたのは、魔法使いになる権利くらいでしょうか(笑)
この時購入した本はこちら。
こちらは本田直之さんとの共著です。
本田さんはハワイと日本を毎週のように行き来して暮らしています。
セミナーのタイトルを、なんかどこかで見たことあるなと思っていたら、自宅に以前購入した四隅さんの本がありました。
まとめと予告
- パナマ運河に感動。2大運河達成!!
- 運河建設は人類の偉大な事業だと思った
- 四隅さんを見てノマド生活に思いを馳せた
本日のお食事紹介はこちら

次回予告
明日は一日船上生活。
明後日寄港のコスタリカに向かって進みます。
お楽しみに!
それではまた、次回Day79の航海日誌でお会いしましょう👋
https://he-lab.com/entry/peaceboat-story-day79/